依存性や離脱症状が少なく非常に使いやすいと言われている睡眠薬「デエビゴ(Dayvigo)」。
ですが、「太る」「幻覚」「悪夢」などの副作用が心配…という声もよく聞きます。
ネット上では、「デエビゴ飲んで寝たら金縛りと幻覚で最悪だった」「デエビゴ飲んで悪夢めちゃくちゃみた…」という方もいれば、「デエビゴで悪夢を見たことは一度もない」「とにかく眠れる!」という方も。
そこで今回は、実際にそのような副作用が起こる理由や、どれくらいの確率で起こるのか、具体的な対策について分かりやすく解説していきます!
デエビゴ(Dayvigo)の睡眠効果・詳細情報
デエビゴは、日本でも有名な製薬会社エーザイが2020年に創製した不眠症治療薬です。
有効成分レンボレキサレントはオレキシン受容体拮抗薬という新しいタイプの薬で、ハルシオンなど従来のベンゾジアゼピン系睡眠薬の脳を強制的にシャットダウンする作用とは違い、自然な眠気を強める作用によって不眠症を改善します。
デエビゴの服用中止後も、反跳性不眠や離脱症状が少なく、最長1年間服用を続けても依存を引き起こさないとされています。
デエビゴの不眠症への効果
不眠症の4つの症状中でも、デエビゴは特に入眠困難、中途覚醒、熟眠障害への効果が高くなっています。
- 寝付くまで時間がかかる(入眠困難) ◎
- 眠りが浅く途中で何度も目が覚めてしまう(中途覚醒) ◎
- 本来起きる時間よりも2時間以上前に目が覚めてしまい、そのあと眠れない(早朝覚醒) △
- ぐっすり眠ったという満足感が無い(熟眠障害)◎
デエビゴは、オレキシン受容体のⅠ型およびⅡ型両方に作用しますが、Ⅱ型への阻害活性がより強いため、入眠までが早いことに加え、優れた睡眠維持効果を発揮するのが特徴。
不眠症改善効果としては、早いと1~2日、通常1週間ほどで効果を実感できるとされています。
よく使われる睡眠薬とデエビゴを比較してみると
医薬品名 | 効果発現時間 | 半減期 | 分類 |
---|---|---|---|
ハイプロン | 10分 | 1時間 | 超短時間型 |
ルネスタ | 20~30分 | 5時間 | 超短時間型 |
デパス | 30~60分 | 6.3時間 | 短時間型 |
デエビゴ | 30~60分 | 2.5㎎:50.6時間 10㎎:47.4時間 | 短時間型~中時間型 |
サイレース | 30分 | 7時間 | 中時間型 |
ドラール | 15~60分 | 36時間 | 長時間型 |
このように、デエビゴは短時間型・中時間型に近いかなと思います。
半減期が長めですが、服用から4時間ほどで血中濃度は半分ほどになるので翌日に眠気を持ち越すことは少ないと言われています。
デエビゴの注意点
便利な睡眠薬デエビゴですが、以下に該当する方はデエビゴを使用できませんので注意が必要です。
- デエビゴの有効成分レンボレキサントにアレルギーがある
- 重度の肝機能障害
また、以下に該当する方はデエビゴ使用前に医師に安全性を確認するようにしてください。
- ナルコレプシーまたはカタプレクシー
- 軽度および中度の肝機能障害
- 重度の腎機能障害
- 脳に器質的障害がある
- 中度および重度の呼吸機能障害を有する
- 高齢者
- 妊娠中・授乳中
- 小児
なお、以下の薬を使用している場合はデエビゴとの併用で副作用を増強させたり効果を減弱させてしまう恐れがありますので、事前に医師に確認の上服用してください。
- 抗生物質のクラリスロマイシン・エリスロマイシン・リファンピシン
- 抗真菌薬のイトラコナゾール・フルコナゾール
- カルシウム拮抗薬のベラパミル
- 抗てんかん薬のフェニトイン
- フェノチアジン誘導体、バルビーツ酸誘導体などの中枢神経抑制剤
引用元:デエビゴ錠添付文書
「太る」「幻覚」「悪夢を見る」副作用が起こる確率は意外と低い
では、気になる「太る」「幻覚」「悪夢を見る」はどれくらいの確率で起こるのかというと、実はそれほど高くはありません。
不眠症患者を対象とした国際共同第Ⅲ相試験における884例(日本人155例を含む)の主な副作用発現率を参考にそれぞれチェックしてみましょう。
デエビゴの体重増加発現率
副作用 | 発現率 |
---|---|
体重増加 | 1.6% |
デエビゴの幻覚発現率
副作用 | 発現率 |
---|---|
入眠時幻覚 | 0.7% |
デエビゴの悪夢発現率
副作用 | 発現率 |
---|---|
悪夢 | 1.4% |
異常な夢 | 1.8% |
この結果から、心配される「太る」「幻覚」「悪夢を見る」という副作用が現れる確率は低いことが分かります。
過度な心配はしなくてもよさそうですね。
その他のデエビゴの副作用も比較的少ない
また、デエビゴは副作用自体もそこまで多いわけではなく、症状の重い副作用も他の睡眠薬よりかなり少なく抑えられています。
副作用 | 発現率 |
---|---|
全体 | 28.2% |
傾眠 | 10.7% |
頭痛 | 4.2% |
倦怠感 | 3.1% |
疲労 | 2.9% |
浮動性めまい | 1.6% |
睡眠時麻痺(金縛り) | 1.6% |
口内乾燥 | 0.8% |
「太る」「幻覚」「悪夢を見る」副作用はなぜ起こるのか
「太る」「幻覚」「悪夢を見る」などの副作用が起こる可能性は高くはないものの、もちろんゼロではありません。 デエビゴではなぜそのような副作用が起きてしまうのでしょうか?
体重増加が起こる理由
体重増加の副作用出現率は1.6%
これは睡眠薬の中でも体重増加の傾向は少ないほうですが、とはいえ全く太る心配がないわけではありません。
デエビゴが作用するオレキシンは脳覚醒を維持するだけでなく、実は摂食や代謝にも関わっています。
オレキシンの語源はギリシャ語で「食欲」を意味するorexisだとか。
オレキシンはその働きが強いほど痩せ、弱いほど太る傾向にあることが分かっています。
デエビゴはオレキシン受容体を阻害するので、オレキシンの働きが弱まり太りやすくなることが考えられます。
また、デエビゴはオレキシン受容体Ⅱ型への阻害作用が強いのですが、Ⅱ型はエネルギー消費に関わりがあり、代謝が悪くなった結果太りやすくなるとも考えられます。
幻覚が起こる理由
幻覚(入眠時幻覚)の副作用発現率は0.7%
幻覚に関しても、デエビゴの作用によってオレキシンの働きが弱まることが原因と考えられます。
これは、幻覚や金縛りといった症状を伴う病気であるナルコレプシーがオレキシン不足によって引き起こされることから推測されるものです。
悪夢が起こる理由
悪夢、異常な夢の副作用出現率はそれぞれ1.4%、1.8%
そもそも夢はレム睡眠、ノンレム睡眠中どちらでも見るものですが、記憶に残りやすいのが眠りの浅いレム睡眠中の夢。 デエビゴはオレキシン受容体に作用することによって、レム睡眠を増やすので悪夢や異常な夢を見たという記憶が残りやすくなるのです。
薬そのものが悪夢を見せるというよりは、「レム睡眠が増える=夢の記憶が残る」というイメージです。
もともと悪夢を見やすい方や、過去の嫌な体験が原因で眠れなくなってしまった方は慎重に服用した方が良いかもしれません。
デエビゴの副作用対策
デエビゴは不眠症治療に優れた効果を発揮すると期待されています。離脱症状や依存が少なく安全性は高い薬ですが、2020年に発売された比較的新しい薬なので情報が少ないというのも現状です。
ネット上では、「太る」「幻覚」「悪夢を見る」などの服用をためらうような副作用を体験した声もありますが、データを見る限りそこまで発生の確率は高くないので過度な心配はいらないかと思います。
ただ、対策方法は知っておいて損はないと思いますので具体的な対策をご紹介します。
①まずは眠りやすい環境づくりを
夜寝る前にスマートフォンなどの強い光を浴びると体内時計が遅れて寝つきが悪くなってしまいます。
そのため、寝る1~2時間はなるべくスマートフォンを見ないようにして、部屋の照明もなるべく暗めにしておきましょう。
また、良い睡眠には就寝前に「体温を下げる」ことが重要です。39~40℃のぬるめのお湯に10~15分浸かることで一度体温を上げ熱を放出することで体温が下がりやすくなりますので眠気が起きやすくなります。
また、ぬるめのお湯に浸かることでリラックス作用のある副交感神経が優位になるため眠りも深くなりやすいのでおすすめです。
入浴は就寝の2時間ほど前がベストとされています。
②運動を取り入れるのも効果的
デエビゴで太ってしまう副作用の要因として、代謝が悪くなることがあげられます。
そのため、起床後にはカーテンを開け光を浴びながら軽いストレッチをしたりウォーキングやランニングをして基礎代謝を維持することが大切です。
基礎代謝は10代後半をピークに低下していき、40代以降は急激に脂肪が付きやすくなっていきますので気を付けたいですね。
また、運動を行うことで睡眠前半で深い睡眠を強め睡眠の質を向上させることができます。
それでも改善しない場合は…
他の睡眠薬と併用することで副作用を軽減できる可能性も。
デエビゴ経験者の中には、次で紹介する睡眠サプリのメラトニンや中途覚醒に効果が期待できるデジレルと一緒に服用することで悪夢の副作用が抑えられたという声もありましたので試してみても良いかもしれません。
③睡眠サプリのメラトニンと併用する
メラトニンは体内で睡眠とそのサイクルを司る天然ホルモンで、サプリメントとして摂取しても同じように作用するため体内時計を整え不眠の症状を緩和する効果が期待できます。
服用すると通常30分以内に眠気が起こり、半減期が20~50分と短いのが特徴です。
また、有効成分のメラトニンは安全性が高く副作用もほとんどないことで知られています。
メラトニン5mg/10mg/20mg(バイタルミー)
メラトニン睡眠サプリ。
サプリメントなので即効性はマイルドですが、デエビゴをはじめ他の睡眠薬・抗うつ薬・抗精神薬との併用も可能で取り入れやすいのがメリットです。
WHOが定めるGMP(適正製造基準)をクリアし製造されているため、品質も万全です。
④浅い眠りを減らすデジレルと併用する
デジレルはセロトニン再取り込み阻害薬(SARI)に分類される抗うつ薬ですが、日本でも睡眠薬として処方されることがある医薬品です。
睡眠薬としては、中途覚醒、早朝覚醒に効果が期待できるため、デエビゴで起こる浅い眠り(レム睡眠)の増加を抑え、怖い夢を見にくくする効果が期待できます。
デジレル50mg(Desyrel)
不安感を和らげ朝まで睡眠をサポート。
有効成分のトラゾドンが不安感を和らげることで、気持ちを楽にするとともに中途覚醒、早朝覚醒といった睡眠障害にも効果を発揮します。
WHOのGMPに準拠し製造された先発薬のため品質や安全性が高く安心して使用することができます。
デエビゴの副作用が不安…という方には他の選択肢も
それでも不安、やっぱり体質に合わなかったという方は、デエビゴ以外にも睡眠薬はありますので合わせて検討してみてくださいね。
高い効果と即効性・ハイプロン
ハイプロン10mg(hyplon)ソナタジェネリック
服用から約15分で効果があらわれる即効性の高さが特徴。
ハイプロンは非ベンゾジアゼピン系の睡眠薬で、「なかなか眠りにつけない…」という症状に素早くアプローチ。 不眠改善に特化した薬なので、筋弛緩やふらつき、依存性などのリスクが低く抑えられています。
体重増加・幻覚・悪夢の副作用が出ることが少ない薬です。
サッと効いてスッと抜ける・ハイプナイト
デエビゴの副作用についてのまとめ
デエビゴはデータで見る限り「太る」「幻覚」「悪夢を見る」という副作用があらわれる可能性は低いです。
体質によるところもありますが、合う人には既存の睡眠薬以上に良い効果が期待できるので過度に怖がらず試してみてほしいですね。
また、薬はどうしても合う合わないがありますので、使ってみてダメなら次の薬に移るのも一つの手でしょう。
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投稿者:ラククル管理人
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