デパスは抗うつ剤・抗不安薬・睡眠薬と様々な用途として利用できる便利な薬で心療内科・精神科ではおなじみですね。
しかし、最近ネットの検索ではこの薬について調べると「心臓に悪影響」「認知症になる」なんて噂も立っているようです。
この薬にはお世話になっている方も多いと思われますが、今回はそんなデパスの気になる副作用と対処法についてわかりやすく解説してまいります。
デパスの副作用で心臓に影響はあるか
最近デパスは心臓への影響を心配する声もあるようですが、結論から言うと薬の服用によりそのような副作用が出るという報告は実はありません。
これは例え長期的な服用であっても同様で、少なくとも現在服用中の方はその点はご安心いただければと思います。
ただ、1,000人に1人以下の確率で動悸が起きることがあるので、もし「心臓が痛い」「ドキドキする」場合はこちらの副作用の可能性によるものと思われます。
デパスのその他の副作用
循環器(0.1%未満) 動悸, 立ちくらみ
ちなみに動悸は不整脈の時にも感じるシグナルではありますが、動悸=不整脈というわけではないので実際に心臓に影響が出ているかどうかは心電図をモニタリングをしてみないとわからない部分になります。
また、立ちくらみも同様で血圧低下により起きている可能性が考えられますが、やはりこれも検査してみないと判断が難しいのは同様です。
デパスは心疾患があるときに服用すると症状が悪化することがあるとも言われていたりもしますが、実際にそこまで大きな影響を及ぼしている可能性は低いかとは思われます。
飲み続けると認知症になるのは本当?
また、デパスは長期使用により認知症のリスクが増えるという海外からの報告もあったりしますが、こちらは可能性を否定する論文も出ていたりして実際のところ現時点での影響度は不明です。
デパスには動悸よりもさらに低い確率で一時的な健忘(物忘れなどの記憶障害)が起きることがあるのですが、どちらかと言うとこちらの副作用から認知症が連想されているのではないかとは思われます。
デパスのその他の副作用
精神神経系(頻度不明) 健忘,刺激興奮,錯乱
健忘の症状については、言葉で説明するよりも実際に服用されている方の体験談を見た方がわかりやすいでしょう。
ありがたや…
これを見るとやや心配になるかもしれませんが、今のところ日本では特に認知症のリスクを高めることはないとの考えが主流ですし、そもそもデパスは頓服で長期服用する薬でもないので用法用量通りに服用する限りリスクはかなり低いものかと思われます。
ただし、もし健忘が出てしまう場合には危険なリスクもあるので薬は切り替えてしまった方が良いでしょう。
デパスは基本的にあまりおすすめではない
ということで、デパスは心臓への副作用もなく認知症のリスクもない便利な薬ではあるのですが、そもそも現在は使用をあまり推奨されていない背景があります。
これはデパスに高い依存性や辛い離脱症状(禁断症状)があり社会問題になっているためで、現在は処方もあまりされなくなり代替薬が使われるケースが増えています。
そこで、ここからは代わりとして使える医薬品について抗うつ薬、抗不安薬、睡眠薬とそれぞれの観点から候補を考えていきましょう。
抗うつ薬・抗不安薬としての代わり
基本的に抗不安薬は全てデパスと同じ特性を持つ薬なので、移行するのであればSSRI・SNRI系の抗うつ薬が候補になります。
全般性不安障害ならジェイゾロフト、社会不安障害ならレクサプロ、パニック障害や強迫性障害ならパキシル、と薬により得意分野が異なり合う合わないもありますが、不安障害に対してもしっかり効果が期待できます。
安価なジェイゾロフトジェネリック・セルティマ
セルティマはインタス・ファーマ社が製造・販売する第3世代(SSRI)で、セロトニンのはたらきを高める作用によって主にうつ症状の改善に効果が期待できます。
ジェイゾロフト有効成分のセルトラリンが同量含まれているためコストパフォーマンスに優れた薬です。
高コスパのレクサプロジェネリック・エスシタデップ
エスシタデップはシプラ社が製造・販売する第3世代SSRIレクサプロのジェネリック薬で、うつ病や不安障害に対しての効果が最も高い上に副作用が少ないのが特徴です。
先発薬のレクサプロと同じ有効成分エスシタロプラムを同じ含むためネックとなっていた費用負担が大幅に改善されています。
格安パキシルジェネリック・ペクセップ
ペクセップはインタス・ファーマ社が製造・販売する第3世代(SSRI)抗うつ薬・パキシルのジェネリック薬で、特に不安や焦燥が強いうつ病の方に有効です。
有効成分のパロキセチンが同量含まれているためうつ症状を安価かつ効果的に改善きる点が特徴です。
睡眠薬としての代わり
デパスはベンゾ系という分類の薬なので、移行するなら依存性や離脱が少ない非ベンゾジアゼピン系の薬が良いでしょう。
第一候補はマイスリーやルネスタなどが挙げられますが、非ベンゾ系の睡眠薬に比べると効果時間が短く効果もやや弱めという弱点があります。
医薬品名 | 立ち上がり | ピーク時 | 半減期 |
---|---|---|---|
デパス | 早い | 3時間 | 6時間 |
マイスリー | 早い | 50分 | 2時間 |
ルネスタ | 早い | 60分 | 5時間 |
トラゾドン | 遅い | 3.5時間 | 10時間 |
もし、トラゾドンと併用しても満足な効果が得られない場合はレンドルミンやサイレースなどより強いベンゾ系の睡眠薬を使わざるを得ないでしょう。
ルネスタジェネリック・ハイプナイト
ハイプナイトはコンサーン・ファーマ社が製造・販売している超短時間型(入眠障害向け)の睡眠薬です。
日本でもおなじみルネスタのジェネリック薬で、同じ効果を持ちながら安価なのでコストパフォーマンスに優れるのが特徴。
今回紹介した医薬品一覧
デパスの副作用と対処法のめとめ
デパスは心臓に悪影響を与えることなく症状を抑えてくれる便利な薬なので、心置きなく使っていただいて大丈夫です。
ただし、それ以上に耐性・離脱の問題があり断薬は使う期間が長ければ長いほど難しいのもまた現実です。
お世話になっている方も多いと思いますが、なるべく他剤への切り替えや減薬・断薬などで服用機会を減らしていくのが将来的なQOLを高める上でも重要と言えるでしょう。
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投稿者:ラククル管理人
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