トリンテリックスはS-RIMと呼ばれる新しい抗うつ薬で、従来の抗うつ薬では効果が実感できなかった方にも効く薬として注目されています。
副作用や離脱症状が少なく使いやすいと言われていますが、ネットでは「やばい薬」という噂もあるようで…
実際のところトリンテリックスは問題アリなのでしょうか?口コミ・体験談をもとに気になるリスクや対策についてまとめました!
抗うつ薬トリンテリックスとは
トリンテリックスはS-RIMと呼ばれる抗うつ薬で日本国内で2019年に承認された比較的新しいタイプになっています。
従来の抗うつ薬とは異なり、有効成分ボルチオキセチンはセロトニン再取り込み阻害作用に加え、セロトニン受容体調節作用があるのが特徴です。
そのため、うつ病やうつ状態に加え、不安感やイライラ、不眠の症状も改善し意欲や思考を向上させる効果が期待できます。
うつ病やうつ状態の改善だけでなく、不安障害やストレスの緩和、認知機能の回復にも効果が期待される新規抗うつ薬です。
副作用や離脱症状が少なく、既存の薬で効果を実感できなかった方でも改善が望めます。
日本を始め世界50か国以上に拠点を持つデンマークの大手製薬会社ルベンドック社が製造しています。
「吐き気」「太る」トリンテリックスがやばいといわれる症状
実際にトリンテリックスを使用した方の口コミや体験談を見ると、ネガティブな意見は主に以下の3つで…
- 吐き気が止まらない、つわりに似た気持ち悪さ
- 体重が増えた、太る
- 睡眠障害の症状が出て眠れない
どれもトリンテリックスの副作用が原因の症状ですが、本当にやばいと言われるほどなのでしょうか。
リスクとその対処法をまとめました。
①吐き気が止まらない、つわりに似た気持ち悪さ
トリンテリックスは従来の抗うつ薬に比べて副作用が軽減されているものの、一番多い副作用が「悪心」です。
ドンペリドンで太刀打ちできるレベルの吐き気なのかな…嘔吐恐怖持ちに副作用吐き気はだめなのよ……
いっつも先生この手の薬出すときに「使い始めの2〜3日ちょっと気持ち悪くなるかも」しか言わない。嘔吐恐怖持ちなんだからこんなにやばいなら言ってくれ〜
トリンテリックスの有効成分ボルチオキセチンは脳のセロトニン受容体に作用することでうつ症状や不安症状を和らげる働きがあります。それと当時にセロトニン受容体は胃や腸にも存在するため吐き気の副作用が出てしまうんですね。
臨床試験では1050例中200例(19.0%)に悪心の症状が確認されており、確かに吐き気や気持ち悪さを感じるケースは少なくないようです。
ただし、この症状は体が慣れることで軽減していくことがほとんど。辛いですが少しずつ吐き気は落ち着いていきます。
対策としては…
- 飲み初めの1~2週間は我慢する
- 低用量の5mgから飲み始める
- 制吐剤(吐き気止め)を併用する
- どうしても副作用が我慢できなければ他の抗うつ薬に切り替える
基本的に抗うつ薬は飲み初めに何らかの副作用が出やすいので、まずは続けてみましょう。
吐き気止めを使用してみるのも一つの手です。
②体重が増えた、太る
爆食もしてないし🥲
これでもまだマシな方なのか
…と体重増加の影響を感じる方もいるようです。
ただし、「体重増加」は1050例中9例(0.9%)、「食欲亢進」は2例(0.2%)なので特別太りやすい薬というわけではありません。
トリンテリックスは飲み初めの吐き気で食欲が落ちる場合があります。その後体が慣れると食欲が回復し体重が増えることはあり得ますが、薬そのもので太る可能性は低いと考えて良いでしょう。
万が一太ることが気になる場合の対策としては…
- 食事の量を見直す
- 運動を取り入れる
- 薬の量を減らす
- どうしても体重増加が気になるようであれば他の抗うつ薬に切り替える
うつ病やうつ症状が改善されていけば食欲が増えて太ることは自然な流れです。安易に薬を変えるのではなく、食生活や生活習慣から見直すほうが良いでしょう。
③眠れない
トリンテリックスが脳内のセロトニン濃度を上昇させ抗うつ作用・抗不安作用をもたらす結果として不眠や眠気の副作用が出る場合があります。
あまりに眠れないので量を元に戻すことにした。
薬の調整はホント難しいなぁ。
さて、明日は出かけなくちゃいけないから早めに寝よう💤
一日中☔️だとツラいな~。
頑張れ自分!負けるな私!!✊
٩(ˊᗜˋ*)وファイトー!!
逆に眠くなるという人もいて…
1日1回服用で良い薬ですが、様子を見てダメそうなら2回に分けてみようかなーと思います。
それ以外は本当に良い薬なのでどうにか眠気が軽減されれば…
不眠症は1050例中13件(1.2%)、初期不眠症は3件(0.3%)、睡眠障害は3件(0.3%)と睡眠に関する副作用は比較的少なめです。
ちなみに「眠れない」と「眠くなる」は真逆の症状ですが、これは体質に左右されるため使ってみないと分かりません。
対策としては…
- 眠れない→朝に服用する
- 眠気が出る→夕方~就寝前に服用する
服用のタイミングを工夫することで改善が期待できます。
そもそも抗うつ薬は悪評がつきがち
トリンテリックスに限らず、抗うつ薬は性質上悪い意見が多くなってしまうもので、トリンテリックスが特別やばいということはありません。
というのも、うつ病の治療薬では…
- 3割の方で改善が見られるも
- 4割の方は効果を実感できず
- 3割の方では症状が悪化する
上記のような性質があるためです。
セロクエル
サインバルタ
一発で自分に合った薬が見つかるほうが稀で、どうしても何種類か試してみる必要があります。
そのため、合わなかった薬には悪い口コミが目立ってしまうんですね。
トリンテリックスを使うメリットは多い
悪い評判を見ると「飲みたくない」と思ってしまうかもしれませんが、実際はメリットも多いことを忘れてはいけません。
10㎎から始め、2週間後20㎎に増やしたあたりから明らかに今までの気の落ち込みが軽減されました。
思い切って変えてみてよかったです。
飲み初めは効果が分かりにくいですが、数週間で効果が出てくると思います。
今飲んでいる方これから飲む方の参考になれば!
というように最新の薬だけあって、従来の抗うつ薬とは違い…
- 2週間で効果が出始める
- 他の抗うつ薬とは別のメカニズムで作用し、複合的に抗うつ作用を発揮する
- 認知機能改善が期待されている
- 離脱症状が少ない
トリンテリックスにはこのようなメリットがあります。
2週間で効果が出始める
トリンテリックスは従来のセロトニン再取り込み阻害作用に加え、セロトニン受容体調節作用という新たな働きが加わっています。
そのため、他の抗うつ薬よりも早めの2週間ほどで症状が改善しはじめるとされています。
複合的にアプローチ
前述の通り、トリンテリックスは脳内のセロトニンの再取り込みを阻害することに加えて、ノルアドレナリン、ドパミン、アセチルコリン、ヒスタミンに作用することでうつ病やうつ状態を改善します。
- セロトニン:感情や気分のコントロール
- ノルアドレナリン:ストレス制御
- ドパミン:意欲
- アセチルコリン:思考、学習、記憶
- ヒスタミン:ホルモン分泌や睡眠
いろいろな部分からアプローチするため、他の抗うつ薬ではカバーしきれない部分にも手が届くイメージです。
認知機能改善が期待されている
間接的にアセチルコリンという記憶に関する物質を増やす作用があることから、「見聞きしたものがうまく頭に入ってこない」「すぐに忘れてしまう」といった認知機能の改善にも効果があるのでは?と期待されています。
ただ、これはあくまで一部の報告で確認されているだけなので今後の研究に期待ですね。
離脱症状が少ない
トリンテリックスは効果が12時間でピークになり、67時間ほどかけて半分になっていきます。
これは抗うつ薬の中でも比較的長いため、離脱症状が少ないのが特徴です。
もちろん長期間服用していて急に減量したり服用をやめたりすると、めまいやふるえ、嘔吐などの離脱症状が出ることもありますが基本的には離脱症状が少ない薬です。
既存の抗うつ薬で効果がなかった方に・トリンテリックス
先発薬と同じ有効成分ボルチオキセチンを含みます。
インドのアイコンライフサイエンス社が手掛ける低価格なジェネリックなので効果はそのままにコストが抑えられています。
世界で最も厳しいとされるcGMPに準拠し製造されているため品質はご安心ください。
どうしても薬が合わない場合は…
どの薬も使い始めは副作用が出てしまうので、それだけで「やばい薬」と判断せず決められた期間はしっかり飲むようにしてください。
それでもどうしても合わない、という場合は他の薬への移行を検討しましょう。
アメリカにおける大規模試験STAR*Dでは薬を試せば試すほど寛解率が上がることも分かっているので、別の薬を試してみるのも一つの手です。
第4世代の抗うつ薬・イフェクサー
イフェクサーは、ファイザー社が製造・販売する第4世代SNRIの抗うつ薬です。
有効成分のベンラファキシンはセロトニンとノルアドレナリンの両方に作用するため抗うつ・抗不安両方の効果が期待できるのが特徴で、他の抗うつ薬が効かなかった時の第二選択としても使用されることが多い薬です。
特にイライラや不安感の改善に優れた効果を発揮します。
最も効果が高いSSRI・エスシタデップ
エスシタデップ(s-citadep)はシプラ社が製造・販売するレクサプロのジェネリック薬です。
有効成分エスシタロプラムが脳内のセロトニン濃度を高めることでうつ病や不安障害を改善します。
必要な場所にピンポイントで作用するため、高い効果がありながら副作用はとても少ないのがメリットです。
トリンテリックスはうつ病の新しい選択肢
トリンテリックスは、ネットで言われているほどやばい薬ではなく、従来の抗うつ薬と比べても副作用や依存性が少なく安全性の高い薬と言えそうです。
比較的新しい抗うつ薬ですが、年々使用が増えてきているようで他の抗うつ薬が効かなかった場合の選択肢として期待されています。
今使っている抗うつ薬が効かない…と悩んでいる方はトリンテリックスを検討してみてくださいね。
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投稿者:ラククル管理人
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