セロクエルは統合失調症のせん妄をはじめ双極性障害(躁・うつ)、うつ病、不眠、不安、などなど幅広い効果をもつとても便利な薬です。
それだけに日本でも人気の薬…なのですが、一部ネット上では”やばい薬”としても噂が立っているようですね。
セロクエルは一体何が問題なのか…?皆さん気になるリスクと対策をわかりやすく解説してみました。
セロクエルは
○○だからやばい
セロクエルについての感想をネットで見ると、ネガティブな意見で特に多かったのが以下の3パターン。
- 副作用がやばい
- 太りすぎてやばい
- 離脱症状がやばい
この3つは皆さんも心当たりが多いのではないかと思いますが…どの程度の症状が出てそれに対して改善する方法はあるのか、項目別に確認していきましょう。
①副作用がやばい
次の日は半分くらい頭が回ってない感じで午前中は数字系と報連相が全然あかんくなる。
眠れるばかりじゃなくて「こういう人もいるよ!」ってことで。
セロクエルは従来(第1世代)の抗精神病薬に比べて副作用が大幅に抑えられた便利な薬ではあるのですが、それでも全く副作用がないわけではありません。
市販後の調査では4人に1人くらいの割合で何らかの副作用が起こることがわかっていて、代表的な眠気(4.3%)、倦怠感(1.3%)の他にも
セロクエルの代表的な副作用
- 運動や動作についてのトラブル
- めまい、脱力感
- 食欲増進、体重増加
- 喉の痛み、口渇
- 吐き気、嘔吐、胃の痛み、便秘
などなど多くの症状が報告されています。
思考力や反応速度を損なうこともあるので、もし初めて服用する際には「運動・動作時にゆっくりと動く」「機械の操作はしない」といった点に注意が必要です。
もちろん飲酒は厳禁。
②太りすぎてやばい
また、上に挙げた副作用の中でも特に気にする方が多いのが「食欲増進、体重増加」です。
程度は人それぞれですが、あまりの空腹感から食べ過ぎて「10kg太った」「糖尿病になった」という方も珍しくありません。
これの対策は一般的なダイエットで行う以下のような
- 食事回数を増やす(間食の回数を増やす)
- ガムを噛んだり水分を摂ったりする
- 運動や会話などで気を紛らす
…で我慢できるレベルの空腹感ではありませんので、体重増加が激しい場合は糖尿病になる前に他の薬への切り替えを検討した方が良いでしょう。
例えば、同じ非定型なら体重減少効果が期待できるエビリファイなど選択肢もありますので医師に相談してみても良いかもしれません。
(※副作用で体重増加が起きる可能性もありますが劇的に痩せられる方もいるため)
③離脱症状がやばい
セロクエルは比較的依存性を形成しづらく離脱症状も控めな方ではありますが、それでも依存や離脱が全くないわけではありません。
主な離脱症状は以下の通りで、急に薬を中断すると特に体に不調をきたしやすくなるため減薬も必ず少しずつ行う必要があります。
- 幻覚や妄想
- (動いてないと)落ち着かない
- (変な)動きが出て止められない
- 不安、イライラ
- 不眠、頭痛
- 吐き気、下痢、発汗
突然死することが
あるって本当?
さらに、セロクエルは服用による突然死の可能性が指摘されていますが実はこれも本当です。公式の添付文書(薬の説明書)を見ると
15.1.1 本剤による治療中、原因不明の突然死が報告されている。
とさらりと恐ろしげなことが書いてあるのがわかります。
ネット上では以下の記述もよく目にしますし、現在進行系で服用中の方は戦々恐々とされる方も多いでしょう。
抗精神病薬「セロクエル」は特に戦闘経験者の心停止や突然死に関係していると見られています。 兵士の間では「セロキル(kill=殺す)」という通称で呼ばれ、頻繁に不眠治療に対して処方されますが、不眠に関する処方指示は米国食品医薬品局(FDA)によって承認はされていません。
引用元:https://www.cchr.jp/documentaries/the-hidden-enemy/antipsychotics-sudden-deaths.html
飲むべきか、飲まないべきか
ではセロクエルは飲まない方が良いのかというとそれも違います。
むしろ統合失調症は薬による治療を行わなければ脳の神経機能が低下し病状もどんどん進行していくため、どちらかと言うと薬による早期治療が大切です。
そもそも上記の添付文書でもその後に続く記述は国内臨床試験において突然死が“疑われる事例が1例あったのみ”でセロクエルが原因で死亡したとも言い切れません。
また、海外でも死亡リスクは「服用量が増える」「他の薬との併用数が増える」ことで大きく高まると報告されていて、実際死亡したケースでも多くの場合で
- 最大用量を越える過剰摂取
- 適応外症状など薬の不適切な使用
- (他の薬や持病などとの)相互作用
が明らかになっています。
セロクエルは日本で睡眠薬代わりにも処方されるようなごく一般的な薬なので、普通に使用する限りは大きな問題は起きにくいと考えて良いでしょう。
統合失調症から不眠、うつまで・セロクエル
セロクエル(seroquel)は世界的な大手アストラゼネカ社が製造・販売する統合失調症の治療薬です。
幅広く精神的な症状に対する効果を持つのが特徴で双極性障害(躁・うつ)、うつ病、不眠、不安などの症状の緩和に役立ちます。
ただし、一応は使用中は定期的に検査し状態をしっかりモニタリングしていくのも突然死のリスクを防ぐための大きなポイントです。
リスクを回避するためには
抗精神病薬はある種「毒をもって毒を制する」的な側面もある薬なので、残念ながら症状を軽減するためには減薬か他への移行しかありません。
特にセロクエルは多くの症状に効果がある=たくさんの場所に薬が効く=それぞれの場所で副作用が起きる可能性がある、ということでもあります。
長く飲み続けるために大事なポイントは「薬が効いてること」「副作用が少ないこと」なので、合わなければまずはセロクエルと同じ分類のジプレキサやシクレストを。
それでもダメなら比較的副作用の少なく安全性の高いエビリファイなども検討してみてもいいかもしれません。
薬の名前 | 鎮静作用 | ドーパミンを… | 即効性 | 副作用 |
---|---|---|---|---|
セロクエル | 強い | 遮断 | あり | やや多い |
エビリファイ | 弱い | 調整 | なし | 少ない |
(↑スマホはスライド可能)
エビリファイジェネリック・アリップMT
アリップMT(arip MT)は統合失調症の治療薬・エビリファイの安価なジェネリック薬です。
ドーパミンの分泌量を適切にコントロールしてくれる効果があり、副作用リスクも少なく双極性障害(躁・うつ)、うつ病などの症状を緩和します。
さらにはセロクエルもエビリファイ、他の類似薬も全く合わない場合はドグマチールなど完全に別の種類の薬も検討してみても良いかもしれません。
統合失調症の治療に・ドグマチール
ドグマチール(dogmatil)はフランスの大手製薬会社・サノフィが製造・販売する統合失調症の治療薬です。
古くからある第1世代の薬ですが、人によってはこの薬が一番という場合もあり日本でも未だに処方されることがある現役の薬です。
コツは「合う薬」を
「使い続ける」こと
繰り返しになりますが抗精神病薬は使わなければ統合失調症の症状は進行していく一方なので、例え副作用のある薬であっても治療は行うべきです。
それに幸い現在はSDA、MARTA、DPAなど副作用の少ない薬の種類も昔に比べてだいぶ増えて選択肢も豊富です。
これらの薬はリスクもありますが正しく使えば症状をしっかり抑えてくれる優秀な薬なので、色々な薬を試してみて自分に合ったマイベストをぜひ見つけてみてください。
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投稿者:ラククル管理人
ラククルのコラム・商品登録・サポートなど様々な業務を担当しております。ECサイトの運営は15年になります。これからもよろしくお願いいたします。