
デパスの代わりになる薬とは?
依存性の問題から規制が進み、処方もされづらく個人輸入でも手に入らなくなってしまったデパス。
しかし、デパスは即効性があり抗不安薬としても睡眠薬としても使える便利な薬だったこともあり未だに「デパスじゃないと…」とお困りの方も多いのではないでしょうか?
そこで、今回はデパスの代わりとして使える医薬品について抗不安薬と睡眠薬それぞれの観点から候補を紹介していきたいと思います。
まずはデパスの特徴を知ろう
デパスはベンゾジアゼピン系と呼ばれるタイプの抗不安薬・睡眠薬で、このベンゾジアゼピン系の薬には
- 抗不安作用(不安を和らげる)
- 筋弛緩作用(筋肉の緊張をほぐす)
- 鎮静・催眠作用(気持ちを鎮めて眠くなる)
- 抗けいれん作用(けいれんを抑える)
といった効果があります。
同じベンゾジアゼピン系でも①~④の効果の強さは薬によって違いがあり、デパスの場合は
- 抗不安作用:強い
- 筋弛緩作用:中くらい
- 鎮静・催眠作用:強い
- 抗けいれん作用:とても弱い
となります。
また、その他にもデパスは良くも悪くも以下の特徴がありこちらも知っておきたいポイントですね。
- 即効性がある
- 効果時間は短い
- 眠気の副作用がある
- 依存性には注意が必要
抗不安薬として使っていた場合
「お守り代わりに財布にデパスを入れている」という方も多いですが、抗不安薬として使っていた場合に気になるのはやはり
- 頓服で使えて即効性がある
- 抗不安・筋弛緩作用が強い
の2点ではないでしょうか。
これに近い医薬品は以下の通りです。
医薬品名 | 抗不安 | 催眠鎮静 | 筋弛緩 | 即効性 | 持続性 |
---|---|---|---|---|---|
デパス | 強 | 強 | 中 | ~3時間 | 3~6時間 |
レキソタン | 強 | 中 | 強 | ~1時間 | 12~20時間 |
ワイパックス | 強 | 中 | 弱 | ~2時間 | 12~20時間 |
レキソタン
レキソタンは強い抗不安・筋弛緩作用と即効性が特徴の医薬品です。
「いざという時にすぐに使える頼もしい薬」ですが、効果が強いが故にふらつきやめまいといった副作用や耐性・依存性の問題もまた強いという点がデメリットとして挙げられます。
また、短時間型に属するデパスと違って中時間型の薬になるため効果時間が大幅に長くなっている点も注意が必要です。
ワイパックス
ワイパックスもデパスやレキソタンと同様に強い抗不安と即効性が特徴の医薬品です。
ただし、催眠・鎮静作用は強い半面、筋弛緩作用はデパスよりも緩やか。
不安の度合いが強いと筋肉の緊張も強くなる傾向があるので筋弛緩作用は重要なポイントではありますが、レキソタンと同様にデパスの代わりになり得るでしょう。
こちらも、短時間型に属するデパスと違って中時間型の薬になるためご注意ください。
睡眠薬として使っていた場合
デパスのようなベンゾジアゼピン系の睡眠薬は、脳の機能を低下させることで睡眠を促すのが特徴です。そのため、
- 同じベンゾジアゼピン系
- 作用の強さや作用時間が同じくらい
の2点であれば同じような効果が得られる可能性が高いですね。
これに近い医薬品は以下の通りです。
医薬品名 | 強さ | 即効性 | 持続性 |
---|---|---|---|
デパス | やや強 | ~3時間 | 3~6時間 |
エバミール/ロラメット | やや強 | ~1時間 | 6~10時間 |
レンドルミン | 強 | ~1時間 | 6~10時間 |
エバミール/ロラメット
デパスと同じベンゾジアゼピン系の睡眠薬で筋弛緩作用や抗不安作用をもち強さも同じくらいの医薬品です。
デパスに比べると効果はややマイルドですが、即効性があり1時間しないうちに血中濃度のピークを迎える点が特徴。
ただし、長く効果が持続するので眠気が翌日へ持ち越されることもあり注意が必要です。
レンドルミン
こちらもベンゾジアゼピン系の睡眠薬で筋弛緩作用や抗不安作用をもち強さも同じくらいの医薬品です。
デパスに比べると薬の効果は強め。即効性に優れている点や眠気の持ち越しには注意が必要な点はこちらも同様です。
ソナタ(ザレプロン)
デパスと同じ短時間型の睡眠薬は軒並み規制されていて個人輸入することも不可ですが、唯一ソナタ(ザレプロン)についてはネットで購入することができます。
ただし、このソナタ(ザレプロン)は非ベンゾジアゼピン系の睡眠薬なので、ベンゾジアゼピン系に比べて
- 耐性はできにくい
- 筋弛緩作用や抗不安作用はない
といった点が異なります。
ハイプロン10mg(hyplon)ソナタジェネリック
ハイプロン(hyplon)は、コンサーン・ファーマ社が製造・販売している短期型の非ベンゾジアゼピン系睡眠薬です。
ソナタと同じ有効成分・ザレプロンが同量含まれているため、安価ながらも高い効果が期待できます。
バスピン(ブスピロン)ってどうなの?
また、ネット上ではデパスの代わりとして良くバスピン(バスポン)といった医薬品を見かけますが、こちらはどうなのでしょうか。
デパスはベンゾジアゼピン系の抗不安薬で、バスピンは四環系の抗うつ薬。
一見すると全く別の薬であるようにも思えますが、一概に変わりにならないとは言えません。
というのも、抗うつ薬・抗不安薬の効く効かないは症状や年齢によっても異なり人によりけりなため。
第5世代のNaSSAが効かないけど第1世代の三環系抗うつ薬が効くという方もいるので、実際使ってみないとわからない部分があるんですね。
バスピンは特徴として
- 効果が現れるまで時間がかかる
- 依存性や副作用は少ない
といった点が挙げられるので、デパスの代わりとして使えるようであれば離脱症状も少ないこちらの方がオススメと言えるかもしれませんね。