マイスリーは効果・即効性ともに優れつつ依存性・離脱のリスクが少ない非常に便利な睡眠薬です。
…が、ネットを見ると飲み続けると「認知症になる」「結局依存した」と触れ込みとは裏腹な評判がやや多いようにも見受けられます。
ということで今回は、噂のマイスリーの長期的な服用リスクについて詳しく解説してまいります。
参照:マイスリー
認知症になる、悪化するって本当?
まず結論から先に言ってしまうと、マイスリーによる認知症リスクの有無は令和の現在も詳しくわかってはいません。
「認知症になったり悪化する」とは昔から言われてはいるものの、リスクを高めるとする研究結果がある一方でそれを否定するものがあったり結論が得られたとはまだ言い難い状況です。
そもそも認知症は発生原因もとても複雑で薬の影響も簡単に断定できるようなものでもないので、現在は以下のような形でお茶を濁されています。
- 高齢者の認知症リスクを高める可能性
- 基礎疾患がある方の認知症リスクを高める可能性
- そのため、量が増えないように注意
なので、不安になる気持ちもわかりますが少なくとも現時点では高齢者の方でなければマイスリーによる認知症の心配は不要でしょう。
認知症リスクが高まるNG行動
ただし、マイスリーで認知症になる影響は不明でもうつ病や不眠症が認知症のリスク因子になることはすでに明らかになっています。
「認知症が怖いから飲まない」の方が逆に認知症のリスクを高める可能性が高いので、現状は薬で症状をしっかりコントロールした方が将来的な利益は大きいでしょう。
もちろん健忘などの副作用が出るようであれば薬が体に合っていないので変えた方がいいですが、無理してまで避ける必要はありません。
服用前後の記憶が曖昧になり認知症のような症状が出る副作用のことで認知症とは全く関係がない。服用後にスマホを触ったり眠ろうとしないと起こりやすい。
もし、どうしても不安がある場合はロゼレムやベルソムラなど認知症リスクのない薬の服用も検討してみても良いかもしれません。
依存性・離脱の心配はどの程度あるか
マイスリーは上記の分類で言うと非ベンゾ系の睡眠薬で、ハルシオンやデパスといった従来のベンゾ系に比べて依存性・離脱症状が抑えられているのが特徴です。
…が基本的に睡眠薬は効果の強い薬ほど依存性や離脱症状も強い傾向があるので、残念ながら少ないとは言っても全く心配がないわけではありません。
特にマイスリーはサッと効いてスッと抜けるキレの強い薬で、そういう効きが実感しやすい薬ほど癖になって依存しやすい薬なので要注意です。
タイプ | ピーク時 | 半減期 |
---|---|---|
ルネスタ | 60分 | 5時間 |
マイスリー | 50分 | 2時間 |
アモバン | 70分 | 4時間 |
リスクを避けるためには
依存性や耐性、離脱症状の出る出ないは個人差が大きいものですが、それでも癖になって量を増やすとだんだん効かなくなることがわかっています。
効かなかったり不安だったりで量が増えてしまうことは良くあるものですが、たとえ眠れなくても必要以上には飲み過ぎないようにしましょう(全く飲まないではなく)。
もし、どうしても効きが悪い場合は単に増量するのではなく他のリスクの少ない薬との併用なども検討してみても良いかもしれません。
現在は危険性の少ない薬もある
もし、マイスリーの効果が薄かったりデメリットが気になる場合には他のリスクの少ない薬と併用することで比較的安全に睡眠障害を改善することもできます。
選択肢としては依存・離脱のリスクがほぼゼロのデエビゴやロゼレム(メラトニン)やベルソムラ、睡眠作用のある抗うつ薬のセロクエルやトラゾドンなどが挙げられます。
ロゼレム(メラトニン)
メラトニンは脳内で分泌されるホルモンの一種で、主に体内時計や睡眠リズムを整える効果があります。
直接補充することで入眠障害の改善に役立ちますが、体内に入ると1~2時間ほどですぐに分解されてしまうので中途覚醒や早朝覚醒に対しては不向きなのが弱点です。
リスクの少ない睡眠薬・メラトニン
メラトニン(melatonin)は睡眠リズムの昼夜逆転やなかなか寝付けない入眠障害の改善効果があるサプリメントです。
睡眠薬のロゼレムと同じ医学的な効果が認められながらも副作用リスクが非常に少ないため、比較的誰でも安全に使用できます。
セロクエル
セロクエルはうつ病や不眠症にも使える統合失調症の治療薬で、睡眠薬としてはマイスリーと同じ超短時間型の分類になります。
メラトニンと同じ入眠障害向けの薬ですが効果はかなり強力なため、他の薬でどうしても効果がない場合に使用をご検討ください。
入眠・熟睡感不足に効く・セロクエル
セロクエル(seroquel)はイギリス/スウェーデンのアストラゼネカ社が製造・販売する統合失調症の治療薬です。
有効成分のクエチアピンは幅広い効果をもち双極性障害(躁・うつ)、うつ病、不眠、不安など多くの症状を緩和できる点が特徴です。
僕はマイスリーただ眠気来るだけだった
セロクエルは確実に寝れる(慣れるまでは多少しんどいが)
トラゾドン
トラゾドンは睡眠作用の強い抗うつ薬ですが、睡眠障害の改善が見られない方に睡眠薬として処方されることがあります。
6~7時間効果時間が続くので中途覚醒や熟眠感欠如に対しても有効な反面、効き始めまで3~4時間とやや遅いためこちらは入眠障害にはやや不向きです。
中途覚醒や熟眠欠如に効く・トラゾニル
トラゾニル(trazonil)はインタス・ファーマ社が製造・販売している第二世代の抗うつ薬です。
デジレルと同じ有効成分トラゾドンを含むため、安価ながらも高い効果が期待できます。
今回紹介した医薬品一覧
マイスリーの安全性についてのまとめ
結局うつや不眠の認知症リスクが高いためマイスリー自体の認知症リスクはあまり考えなくても良いでしょう。
しかし、早くて強く効く分だけ非ベンゾ系の中でも依存しやすい薬ではあるので取り扱いに十分注意が必要な点には変わりありません。
もしどうしても薬が効かなかったり増やしたりしたくなった時には、最後に紹介した薬も選択肢の1つとして検討しても良いかもしれませんね。
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投稿者:ラククル管理人
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