ハイプロンと言えばネット通販(個人輸入)でも買える数少ない睡眠薬として日本でも人気の高い薬ですね。
しかし、ネットの評判を見ると悪い口コミが目につくことも多く「健忘や奇行が出る」「幻覚が見える」など少々副作用に難ありの薬としても知名度が高いようですね。
そこで、今回はハイプロンについて実際服用するとどの程度危険がある薬なのか注意すべきポイントを解説いたします。
ハイプロンは一体何が危険なのか?
ハイプロンについてネットで良く取り沙汰される副作用は主に以下の3パターンです。
- 健忘が出る
- 奇行が出る
- 幻覚が出る
この3つはツイッターなどでも良く聞く副作用なので耳にしたことがある方も多いでしょう。
それでは、これらの症状がどの程度出るもので改善する方法はあるのか。症状別に細かく見ていくこととしましょう。
①健忘について
ハイプロンは服用により健忘が出ることがあるのは事実です。健忘とは簡単に説明すると服用後に起こる記憶喪失のような状態のことで
といったような「明らかに起きて何かをしている形跡があるけれども記憶がない。」ということが起こります。
この副作用は検索でも報告が多くたくさんの人に起こっているイメージがあるかもしれませんが、臨床試験の結果では健忘の発生率は2~4%とどちらかと言うと珍しい副作用。実は誰にでも起こるものではありません。
ハイプロンの健忘発生率
プラセボ | 5~10mg | 20mg |
---|---|---|
1% | 2% | 4% |
また、健忘はマイスリーやデパスなど睡眠薬全般で起こり得るもので特にハイプロンだけが健忘が起きる危険な薬というわけでもないので、そこは正しく認識しておきましょう。
ただし、この症状は過剰摂取(OD)や眠気を我慢して活動しようとすると起こりやすくなる傾向が見受けられるため、服用後はただちに布団に入りスマホもいじらず眠る準備を万全にしておきましょう。
②奇行について
ハイプロンは睡眠薬なのですが人によっては服用によりハイになったり躁のような状態になることがあります。
なぜ服用により気分が高揚するのか詳しい理由はわかっていませんが、ハイプロンが効く部位は快楽物質でおなじみドーパミンとも関係性がある部位なので、これに関係して起こるものと考えられています。
この陶酔感が健忘とともに起こると奇行とも言うべき言動を起こしやすくなると思われ、実際の体験談としては…
ちがうんじゃー。しゃれおつなことは1ミリもいらんのんじやー。
この目の前の焦げてしまっとる四つ切りのトーストをどうにかしてあげたいんじゃー
記憶がないのに外食
iPhone無くす
壁を何故か殴り、翌日手がパンパン
ピンサロ行った記憶がないのにポケットに名刺が二人分ある
Twitterに痛いツイート
女の子友達にヤバめのLINE
まだまだある……
ああ、辞めなければ!ハイプロンなんて卒業せねば!
などのエピソードがSNSでも良く見受けられます。
この奇行も健忘と同様に発生はまれですが、飲んでみてリスクが大きいと判断できる場合は別の薬への移行を検討してください。
③幻覚について
幻覚の発生率は1%前後と健忘よりもさらに稀な副作用にはなりますが、起こる可能性は一応ゼロではありません。
これは別の非ベンゾジアゼピン系催眠薬ではめったに起こらない症状なので、ハイプロン特有とも言えるかもしれませんね。
ハイプロンの幻覚発生率
プラセボ | 5~10mg | 20mg |
---|---|---|
1%未満 | 1%未満 | 2% |
幻覚を引き起こすメカニズムも明確には確立されてはいないのですが、有効成分ザレプロンの吸収が非常に速く即効性がある特徴が「起きているのに催眠状態や夢のような状態を誘発」している可能性があると考えられています。
麻薬の類によって起きるような本当の意味での幻覚ではないため、そういう意味ではご安心ください。
ただメジィさんはハイプロンでそういう幻覚を見ることを知っていて、ハイプロンの幻覚だと認識してるのだ
これらの症状は改善できるものなのか
結論から言うと、残念ながら健忘や幻覚といった症状がなぜ起こるのか詳しい仕組みも明らかになっていないため、対策も「薬を減らす」「薬をやめる」という選択肢になってしまいます。
しかし、脅すようなことを言いましたがこれらの症状が出る可能性は数%程度と珍しくあくまでハイプロンが高い効果をもつ便利な薬であることに変わりありません。
今の薬が合っていない方も多いと思うので、まずは使用し自分の体に薬が与える影響を確認した上で合わなければ他の薬への切り替えを検討するような対応も選択肢の1つとして良いでしょう。
どうしてもハイプロンが合わない時は
どうしてもハイプロンが体質に合わない場合は以下の薬を代用しても不眠(入眠障害)を改善できる可能性もあります。こちらも、もしもの時の候補として覚えておいて損はないでしょう。
①ルネスタ
ルネスタはハイプロンと同じ依存性の少ない非ベンゾジアゼピン系の薬で主に入眠障害の方向けに使われる治療薬です。
非ベンゾ系睡眠薬のスペックはそれぞれ以下の通りで
医薬品名 | ピーク時 | 半減期 |
---|---|---|
ハイプロン | 60分 | 1時間 |
ルネスタ | 60分 | 5時間 |
アモバン | 70分 | 4時間 |
マイスリー | 50分 | 2時間 |
効き方としてはマイスリーの方が近いのですが、マイスリーはネット通販(個人輸入)での購入が不可なので代わりとしてルネスタということになります。
ハイプロンに比べて効き始めは遅いものの効果時間が長いので特に入眠障害と中途覚醒に対してもやや効果が見込めるのが特徴です。
本気で変えようと思っているなら年単位で考えないとですけど、とりあえず1週間ほどでもやり続けたら、マジで激烈に世界変わります。
ルネスタジェネリック・ハイプナイト
ハイプナイトは、コンサーン・ファーマ社が製造・販売している超短期型の睡眠薬で非ベンゾジアゼピン系の中でもZ薬と呼ばれるタイプです。
ソナタと同じ有効成分ザレプロンを同量含むため、安価ながらも高い効果が期待できます。
②セロクエル
セロクエルは統合失調症の治療に使われるなのですが、実は副作用に睡眠作用があり睡眠薬として代用することができます(実際処方されることもあります)。
こちらはMARTAと呼ばれるマルチな役割をもつ特徴の薬でうつ病や躁鬱、抗妄想・幻覚作用に加えて睡眠作用ももつ…と一石四鳥とも言うべき薬となっています。
ちなみに、睡眠薬としての性能は超短時間型として機能しピーク時80分で半減期3.5時間とハイプロンとルネスタの間くらいの作用時間になりますが、効き始めが少し遅いのが弱点です。
医薬品名 | ピーク時 | 半減期 |
---|---|---|
ハイプロン | 60分 | 1時間 |
ルネスタ | 60分 | 5時間 |
セロクエル | 80分 | 3.5時間 |
#統合失調症
今日も安定した睡眠。朝少しだるくなりますが、依存性も無いようですし、セロクエルは良い薬です🙂
皆様、今日も1日よろしくお願いします。まったりいきましょう✿
ただし、以下の副作用が出る場合は要注意
ちなみにハイプロンには健忘や幻覚以外にも副作用が起こることがあり、特に以下の症状が出る場合は重篤な副作用のサインなので注意が必要です。
- 不安・焦燥感、抑うつ状態、攻撃的になる
- 記憶障害、異常な考えや行動をするようになる
- 自殺・自傷を考えるようになる
- 錯乱
もしこれらの症状が確認できた場合はただちに医師の治療を受けてください。また、その他の注意事項は以下からもご確認ください。
離脱症状にもご注意を
また、ハイプロンはデパスやハルシオンなどのベンゾ系睡眠薬に比べて健康リスクの少ない薬ではありますが、依存性と離脱症状が全く無いわけではありません。
程度は人それぞれですが特に増量した状態から急に薬をやめると不安、焦燥、興奮、めまい、感覚の異常、頭痛、悪心など一気に体の不調が出る可能性があります。
少しずつ減薬していく必要があるのは他の抗うつ剤や抗不安薬、睡眠薬と同じなので過剰摂取(OD)と併せてくれぐれもご注意ください。
今回紹介した医薬品一覧
ハイプロンの副作用対処法まとめ
ハイプロンは悪評も多く見受けられますが、それでも睡眠障害(不眠症)をしっかり改善できる有効性の高い薬であることは確かです。
ただし、それぞれの薬で体質に合う合わないはありますので用法・用量を守って使いつつ「薬が合わなそうなら別の薬へ」で色々な種類の薬を試して自分にベストな薬を見つけてみてください。
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投稿者:ラククル管理人
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