アジーはクラミジアから歯周病まで幅広く細菌由来の治療に使える便利な薬ですが、「○○に効かない!治らない!」といった意見もネットではちらほら。
しかし、確かにアジーは用法・用量を知る必要があったり本当に適応症なのか確認する必要があったり、適当に飲むだけでは絶対に治らないのは事実…。
ということで、今回は性病でお悩みの方向けにアジーで症状が治らないときの対処法を解説いたします。
効く性病と効かない性病がある
アジーは日本でもおなじみジスロマックのジェネリックで、いわゆる抗生物質と呼ばれるタイプの薬です。
あらゆる細菌に効果があり、特にことクラミジアに対しては完治率90%を誇る特効薬的な存在ですが、あくまで効果を発揮するのは”細菌”のみ。
種類 | 適応 | 代表例 |
---|---|---|
細菌 | ○ | 淋菌、クラミジア、梅毒 |
ウイルス | × | ヘルペス、尖圭コンジローマ |
真菌 | × | カンジダ、インキン |
“真菌”や”ウイルス”に対しては全く効果がないので決して万能薬というわけではありません。
なので、「性病だから飲む」ではなくそもそも症状に対して使う薬がアジーで本当に合っているかどうか使用前にまず確認が必要ですね。
予防目的で飲んでも良いもの?
アジーが性病に対する予防効果があるのは本当ですが、耐性菌を作ってしまう可能性もあるため注意が必要です。
また、感染予防できるとは言っても100%予防できるわけではないので頼り切りになるのもやや危険なので、どう使うかは判断が難しいところですね。
効果を最大限まで高める使い方
また、アジーはそれぞれの感染症に応じて用法・用量が決まっているので適当に飲むだけでは全く効果がありません。
「とりあえず1日1錠飲んでるけど性病が治らない」のようなケースは耐性菌ができるだけで最悪なので、基本の使い方も知っておきましょう。
①クラミジアの場合
アジーはクラミジアに対しては
- 初日に1,000mgを1回飲むだけ
でOKです。250mg錠なら4錠、500mg錠なら2錠ほどをただ1回飲み切るだけで薬の有効成分が10日間ほど全身に持続してくれるので、喉でも性器でもクラミジア菌を死滅できる仕組みです。
1週間後の再検査における完治率も90%と非常に高く、現状クラミジアに対してはコスパにも優れた治療法となっています。
とはいえ油断は禁物で、薬を飲むのは1回だけでも完治まではおよそ1週間ほどはかかるので、期間中は性行為等の接触を控え他者に移してしまわないようご注意ください。
ブツブツが見られる場合
ただし、もし陰部や肛門、鼠径部にブツブツが見られる場合は性病性リンパ肉芽腫という症状が疑われます。
この場合は1,000mg1回だけでは不十分で、1回1,000mgを1日2回、1週間おきに3回服用が推奨の服用量となります。
②淋病(淋菌)の場合
残念ながら近年の淋菌はアジーに対して耐性を持っていることが多く、服用しても完治率は10~20%程度に留まります。
ただし、それ以上の治療となると注射・点滴となり副作用が懸念されるので「とりあえず試したい」「淋病かどうか不明」なときには選択肢の1つとして検討しても良いでしょう。
用量的にはこちらも
- 初日に1,000mgを1回飲むだけ
となり、2,000mgへの増量で効果が高まることも知られていますが、これは体への負担も大きいため治療に使用されることはあまりありません(使用を推奨する意図はありません)。
ちなみに、アジーが効かないような耐性菌でも幸い病院での注射と点滴による治療でほぼ完治できる病気ではあるのでご安心ください。
淋病(淋菌)治療の第一選択は…
- ロセフィン(セフトリアキソン)
点滴。治療は1回のみで30~60分程度。 - トロビシン(スぺクチノマイシン)
→筋肉注射。
淋菌由来の症状が見られる場合
また、淋菌による軽~中度の尿道炎や子宮頸管炎の治療にも2,000mgを1回だけ服用が用いられます。
用途
- 咽頭・頸部・尿道・直腸の合併症のない淋菌感染症
- 淋菌性結膜炎の治療
- 播種性淋菌感染症による関節炎・関節炎皮膚炎症候群の治療
- 淋菌性髄膜炎・心内膜炎の治療
③梅毒の場合
アジーは梅毒に対しても一応有効で、用量的にはこちらも
- 初日に2,000mgを1回飲むだけ
となりますが、そもそも梅毒はペニシリン系抗生物質のノバモックスで完治率90%となっていますので、こちらを使用するのが一般的です。
アジーを使う時は第一選択薬のノバモックスがアレルギーなど何らかの理由で使えないときだけの代替になるので基本的にはおすすめはできません。
それでも効かない時の対処法
このように様々な性病に使えて非常に便利なアジーではあるのですが、耐性菌など何らかの理由により完治してないことも残念ながら起こり得ます。
そのようなケースでは一体どうすれば良いのでしょうか。
ケース①:完治前に再感染している
このようなケースを卓球のラリーに例えてピンポン感染と言いますが、治ったと思ってすぐキスやセックスした場合は相手に移したり移されたりしてしまいます。
最低でも1~2週間はパートナーとの接触を控えるようにして必ず医師や検査キットにより完治が確認しましょう。
また、感染を広げないためにも期間内に性的接触があった人物全員が治療を受けるようにしてください。
ケース②:細菌由来の性病ではない
最初に説明した通り、アジーなどの抗生物質は細菌にしか効果がないので「実は他の性病だった」というパターンでは効果を発揮しません。
性病は症状が似ていたり見分けがつかなかったりすることもあるので、この場合はまず検査キットを使ったり医師の診察を受けるなどして原因を特定する必要があります。
こう聞くと不安に思われるかもしれませんが、幸い今のところ日本に未知の性病というものは存在しないので、そこはご安心ください。
ケース③:耐性菌に感染している
アジーの完治率も100%ではないので、どうしても中には性病が治らないという方も出てきてしまいます。
この場合、耐性菌の疑いをはじめ完治しない要因が様々考えられるため速やかに医師の治療を受けてください。
今回紹介した医薬品一覧
アジーが効かない時の対処法まとめ
アジーは飲むだけでクラミジアなどの性病をほぼ完治に導いてくれる便利な薬ではありますが、闇雲に予防目的で飲むとかえって逆効果になることもあります。
薬を服用する時はクラミジアなのか淋菌(淋病)なのか梅毒なのか…はたまたただの風邪なのか、しっかり見極めた上で適切な薬を服用したいですね。
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投稿者:ラククル管理人
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