生え際に効果あり?アボダートをAGA治療薬として使用した場合の効果

生え際に効果あり?アボダートをAGA治療薬として使用した場合の効果

アボダートは前立腺肥大症治療や男性型脱毛症(AGA)など男性由来の様々な症状に強い効果を発揮するとても便利な薬です。

ことAGA治療においてはプロペシアよりも強力な作用により回復しにくい生え際部分に対しても効果があると言われることがありますが…。

果たして、実際どの程度生え際が回復するものなのでしょうか?

アボダートは本当に生え際に効くのか?

アボダートはAGA治療薬として見たとき、脱毛の原因に関わる5αリダクターゼを1型・2型の両方をブロックするため効果としてはプロペシアの1.6倍とは言われるところです。

ただし、それが単純に発毛が1.6倍になるかというとそれはまた別の話で、実際は効く場合と効かない場合があります。

実際に効果があったケース

アボダートで改善が見込める部分

実際、アボダートは臨床試験の結果でも前頭部の発毛が優位になった結果が得られるなど生え際に対しての改善報告はされています。

しかし、SNSやYouTubeなどで実際の見る限りでも改善されている方はもともとその部位に産毛があった場合のみで、何もないところから生えてきたという方は皆無でした。

そのため、現状もし生え際に産毛が生えているのであればこれは改善する可能性があると言えるでしょう。

アボダート・ジェネリックの定番 デュプロスト

デュプロスト0.5 mg(duprost)アボダートジェネリック

デュプロストはシプラ社が製造・販売する男性専用のAGA治療薬です。

先発薬のアボダートと同じ有効成分デュタステリドによりプロペシアよりもより強い脱毛阻害効果が期待できます。

効果がなかったケース

アボダートでも改善が見込み薄な部分

もし、産毛がない場合では残念ながらザガーロだけでは改善する可能性は低いと言わざるを得ません。

そもそも、ザガーロは脱毛を防ぐ医薬品で発毛効果があるわけではないため、何も生えていないところから生やすのは不得意。効果が期待薄なんですね。

なので、そういう方の場合はもう1ステップ進んだ治療が必要となります。

生え際の後退を阻止するためには

では、具体的にどうすれば良いのかと言うと単純に脱毛を防ぐだけでなく何らかの手段により発毛を促進させる必要があります。そこで登場するのが発毛効果をもつミノキシジルですね。

今はテレビCMでもおなじみなので知らない方も少ないとは思いますが、一応説明しておきますとミノキシジルとは「毛根(毛包)の活性化」と「血流促進」の2つの作用により発毛効果をもたらす医薬品成分です。

剤形にはスプレー(フォーム)とタブレットの2種類があって、それぞれの特徴は以下の通りです。

スプレータブレット
効果マイルド高い
範囲スポット頭皮全体(全身)
副作用ほぼなしキツめ

そして、アボダートとミノキシジルは併用が可能。だから、脱毛を防いで発毛を促進できるこの組み合わせが中重度のAGA治療で鉄板の組み合わせとして用いられているんですね。

AGAの進行度にもよりますが、ミノタブは副作用が強めで循環器系に影響しやすいので、まずはスプレーからがおすすめです。

有効成分はリアップX5の2倍・ツゲイン

ツゲイン2%/5%/10% 60ml(tugain)ロゲインジェネリック

ツゲインは、シプラ社が製造・販売しているスプレータイプのミノキシジル薬で国内最高濃度の製品よりさらに倍の濃度を含みます。

最大10%という高い有効成分で毛乳頭細胞や毛母細胞を活性化する作用に加え、安価なためコストパフォーマンスにも優れています。

もし、それでも脱毛と発毛の逆転が起きなければミノキシジルタブレットの使用を検討してみてください。

ただし、1錠まるごと飲むのはかなりキツいはずなので、1/4(初日は1/8でもいいかも)に割って1~2mgの間から段階的に調整するのがポイントです。

最大の発毛効果をもつミノキシジル・ロニタブ

ロニタブ(lonitab) 5mg/10mg

ロニタブは、インタス・ファーマ社が製造・販売する内服タイプのミノキシジル薬です。

いわゆるミノキシジルタブレットと呼ばれるタイプのミノキシジルで最も発毛効果が高いとされる医薬品です。

ジェネリックのため大変お買い得でお求めやすくなっています。

ただし、こんな治療にはご注意を

しかし、ここまで頑張っても改善するとは言い切れないのが生え際の薄毛です。前頭部の改善というものはそれほどまでに難しいものなんですね。

ここからは、そういった方がついつい手を出してしまいがちな中でも特にこの治療はおすすめではない、という方法も紹介してまいります。

自毛植毛

自家植毛の知られざるリスク

自毛植毛は非常に優秀な発毛法で、要は自分の髪の毛を後頭部から取ってきて生え際に植え直す治療です。

普通に手術になるため価格も100万円単位と高額なのがデメリットですが、なんとその成功率95%と凄まじく設置した髪の毛は半永久的に生え続けてくれる夢のような発毛法です。

にもかかわらずなぜダメなのか

それは、設置した髪の毛がずっと生え続けてくれるというのが実は後々になって問題になってしまうからです。

想像してみてください。確かに治療直後は最高の治療を受けた気分になりますが、いずれあなたの髪の毛はその後加齢とともに後退していくものです。

しかし、前頭部が完全に禿げ上がってしまったとしてもM字や前頭部に植毛した毛は一生生え続けます。そんな髪型想像するだけで恐ろしいですね。

最初の10年くらいまでは見栄えが保ちやすいものの、それ以降は植毛した毛が逆にコンプレックスになってしまうのでおすすめではないんですね。

ルミガン

安易に使うと頭皮に黒ずみが…?

男性で知る方は少ないかもしれませんが、これはまつ毛を伸ばすまつ毛美容薬です。

有効成分のビマトプロストは非常に強力な発毛効果を持つ成分で、手指だろうが顔面だろうが付着した部分に片っ端から毛を生やすことでも知られています。

もちろんそれは頭皮も例外ではなく、すでに行われている臨床試験の結果でもやはり発毛効果を示唆する結果が得られています。

ビマトプロストには脱毛の新しい治療法となる可能性があり、研究により髪の成長を最大25%改善できると示されている。

引用元:https://www.hairguard.com/bimatoprost-hair-loss-study/

にもかかわらずなぜダメなのか

それは、ルミガンは頭皮に塗って使うにしては副作用が強いこと。そしてその中でも大きな問題になるのは色素沈着です。

想像してみてください。今は確かに生えてくれるかもしれませんが、あなたの髪の毛はどれだけ手を尽くしてもやはり加齢とともに後退していくものです。

しかし、前頭部が完全に禿げ上がってしまったときM字や前頭部の頭皮だけがやたらと色素沈着していたら…?こちらもやはり想像するだけで恐ろしいですね。

しかも現状は有効性を示唆する論文が見受けられる程度なので、まだまだ治療法として確立しているとは言い難いです。

最後にもう一言だけ…

このようにアボダートのような強い薬を使用してもなかなか治療が難しいのが生え際の薄毛というもの。

しかし、人体というものは体質によるところも大きく最適な治療や組み合わせは人それぞれ異なると言っても差し支えありません。

例えば、(生え際の事例ではありませんが)プロペシア+アボダートという一見無意味な組み合わせで髪の毛が生える人もいますので

男性型脱毛症をプロペシアで治療した47歳男性の症例について報告します。

4年間の継続治療にも関わらず患者の毛髪密度は2年目以降芳しくなかったため、プロペシアに加え週0.5mgの低用量ザガーロを使用するようにしました。

この結果、患者の毛髪密度は劇的に増加しプロペシアとザガーロの併用療法が既にプロペシアを服用している患者の毛髪密度を改善できることを示しました。

プロペシア+ザガーロ併用療法の治療前後

引用元:https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/22686691/

もし万策尽きたと思っても実は組み合わせや用量、摂取する栄養、生活習慣など変えてみることで改善が見込める可能性はあります。

改善が見込めない場合は1つの薬や治療法に固執するのではなく、あえて薬や組み合わせを試してみるのが案外近道になるかもしれませんよ。

プロペシアからミノタブまで

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