アナフラニール25mg/SR75mg(Anafranil)
登録日: 2022年10月20日 | 更新日: 2024年10月25日
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アナフラニール(Anafranil)の商品詳細
アナフラニールとは
- 医薬品名
- アナフラニール(Anafranil)
- メーカー
- タオファーム(Teofarm)
- 有効成分
- クロミプラミン塩酸塩(clomipramine)
- 効果・効能
- うつ病/遺尿症/ナルコレプシーに伴う情動脱力発作
- 剤形
- 錠剤(tablet)
- 前向きな気持ちになれるようサポート 感情調整作用と不安鎮静作用に優れており、気分の落ち込みや絶望感といったうつ病の症状を緩和し意欲を高めてくれます。
- 三環系抗うつ薬 うつ病治療薬の中でも最も歴史のある治療薬です。強い効果が特徴で、他の薬では改善しなかった症状にもアプローチします。
- 遺尿症(おもらし)にも有効 膀胱の過度な活動を抑え、尿道の閉まりを良くする作用によって、子供から大人までの尿トラブルを防ぎます。
アナフラニールは、三環系抗うつ薬です。
日本国内でも承認されているクロミプラミン塩酸塩を有効成分として配合しています。
有効成分のクロミプラミン塩酸塩が、ノルアドレナリンやセロトニンを増加させることで、1日中続く気分の落ち込みや不安感などのうつ病の症状を改善し気分を楽にしてくれます。
また、子供の遺尿症(おもらし)や夜尿症(おねしょ)、大人の失禁症(尿漏れ)防止、ナルコレプシー(居眠り病)に伴う情動脱力発作に使用されることもあります。
SSRIやSNRIなどの他の治療薬では改善がみられなかった症状にも効果が期待できますが、作用が強い分副作用も出やすいためご注意ください。
製造元のタオファームは、1990年創業のイタリアに本拠地を置く製薬会社です。
アナフラニールは抗うつ薬の中でも、三環系抗うつ薬に分類されます。
初期に開発された薬で、数多くの実績を持ちます。
抗うつ病の中でも強い効果を持つため、通常病院などでは、SSRI(選択的セロトニン再取り込み阻害薬)やSNRI(選択的セロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害薬)などの副作用の抑えられた薬を始めに処方されます。それでも効果が見られなかった場合に三環系抗うつ薬が処方されることが多くなっています。
うつ病やうつ状態は、脳内の神経伝達物質であるモノアミン(セロトニン・ノルアドレナリン・ドパミン)の働きが低下することで起こります。
このモノアミンの量を調整することで症状を改善します。
三環系の抗うつ薬の中でもセロトニン増強作用が強いため、パニック障害や強迫性障害にも効果が期待できます。
ただし、24歳以下の方がアナフラニールを服用したとき自殺リスクを高める場合があります。
本人や家族など周囲の方は、気分や症状の変化に十分注意してください。症状の悪化がみられた場合は医師に相談してください。
効果・効能
アナフラニールは、うつ病やうつ状態、遺尿症、ナルコレプシーに伴う情動脱力発作に有効な医薬品です。
うつ病やうつ状態
うつ病への作用機序ははっきりと分かっていませんが、脳内のセロトニンとノルアドレナリンの神経終末への取り込み阻害による受容体刺激の増強によって効果を現すものと考えられています。
有効成分のクロミプラミンは特に感情調整作用と不安鎮静作用が強く、絶望感や苦悶、希死念慮を伴ううつ症状に優れた効果が期待できます。
遺尿症
その他にも、膀胱の勝手な運動を抑え、尿道の閉まりをよくする作用によって、子供の遺尿症(おもらし)や夜尿症(おねしょ)、大人の失禁症(尿漏れ)への効果も認められています。
ナルコレプシーに伴う情動脱力発作
また、クロミプラミンにはナルコレプシーに伴う情動脱力発作を抑える働きがあります。
居眠り病とも呼ばれるナルコレプシーは、日中でも強い眠気に襲われ眠り込んでしまう病気です。
また、強い情動(驚きや笑い)をきっかけに全身の力が抜けてしまう情動脱力発作が伴う場合があります。
アナフラニールは、その症状への治療薬として国内外でよく使用される薬です。
飲み方・使い方
当サイトでは、25mg/SR75mgを取り扱っています。
SRは徐放性の薬剤で、薬の成分が少しずつ長時間放出され続けるように加工されたタイプです。
血中の有効成分濃度の急激な上昇を避け副作用を抑える効果と、服用回数を減らすことができるというメリットがあります。
アナフラニールは適応症に応じた用量を水もしくはぬるま湯で服用してください。
精神科領域におけるうつ病・うつ状態
1日50~100㎎を1~3回に分けて服用
SR75mg錠の場合は1日1回をなるべく夕方に服用
最大用量:225㎎/日
遺尿症
6歳未満の幼児:1日10~25㎎を1~2回に分け服用
6歳以上の小児:1日20~50㎎1~2回に分け服用
ナルコレプシーに伴う情動脱力発作
1日10~75㎎を1~3回に分け服用
効果が出るまでに1~2週間以上かかる場合があります。
急に服用をやめたり、急激に量を増減すると症状が悪化する場合がありますので徐々に増減するようにしてください。
薬はなるべく湿気や熱、日光を避けて常温保管し、子供やペットがいる場合は誤飲を避けるため保管場所に細心の注意を払ってください。
副作用
アナフラニールは服用により以下の副作用が起きることがあります。
症状はほとんどの場合一時的なもので、体が慣れるにつれ低減されていくものでもあるため医師の治療も不要ですが、もし程度が気になったり続いたりする場合は相談してみても良いでしょう。
主な副作用
- 眠気
- あくび
- 悪心・嘔吐
- 食欲不振
- 口の渇き
- 体重増加
- かすみ目
- 倦怠感
- 不安
- 頭痛
ただし、服用後に以下の副作用が現れる場合はただちに使用を中止し医師の治療を受けてください。
治療が必要な症状
- 知覚異常
- 錯乱・幻覚
- せん妄
- 攻撃的反応・激越
- 悪夢
- 抑うつ悪化
- 記憶障害
- 離人症
- ミオクロヌス
- 意識障害
- 起立性低血圧
- 心電図異常(QT延長など)
- 頻脈・不整脈
- 心ブロック
- 血圧上昇
- 眼内圧亢進・緑内障
- 尿閉
- 光線過敏症
- 脱毛
- 白血球減少・血小板減少
- 紫斑・点状出血
- 好酸球増多
- AST・ALTの上昇
- 味覚異常
- プロラクチンの分泌促進
- 乳房肥大・乳汁漏出
- 口周部等の不随意運動
発生は稀ですが、以下の重大な副作用が起こる場合があります。その際はただちに治療を受けてください。
重大な副作用
- 悪性症候群(Syndrome malin)
- セロトニン症候群
- てんかん発作
- 横紋筋融解症
- 無顆粒球症
- 汎血球減少
- 麻痺性イレウス
- 間質性肺炎
- 好酸球性肺炎
- 抗利尿ホルモン不適合分泌症候群(SIADH)
- QT延長
- 心室頻拍(Torsade de pointesを含む)
- 心室細動
その他にも、以下の副作用が発生する場合があります。症状が続くか程度が重い場合は医師に相談しても良いでしょう。
一般的な副作用
- 血圧降下
- パーキンソン症状・振戦・アカシジアなどの錐体外路障害
- 不眠
- 排尿困難
- 視調節障害(散瞳など)
- 性機能障害
- 発疹
- そう痒感
珍しい副作用
- 言語障害
- 集中力欠如
- 運動失調
- 下痢
相互作用
アルコールは薬の効果・副作用を増大させる可能性が高いためアナフラニールとの併用はしないでください。
また、アナフラニールの有効成分クロミプラミン塩酸塩は以下の薬も併用が禁止されています。
併用を避ける薬
- MAO阻害剤
セレギリン塩酸塩(エフピー)、ラサギリンメシル酸塩(アジレクト)、サフィナミドメシル(エフィクナ)
その他にも、以下の薬を使用している・していた場合は医師に確認の上で薬を服用してください。
医師に確認が必要な薬
- 副交感神経刺激剤
ピロカルピン、セビメリン - 抗コリン作用を有する薬
トリヘキシフェニジル、アトロピンなど - アドレナリン作動薬
アドレナリン、ノルアドレナリン、フェニレフリン - アトモキセチン
- 中枢神経抑制剤 バルビーツ酸誘導体など
- 全身麻酔剤
ハロタンなど - 抗不安剤
アルプラゾラム - サリドマイド
- フェノチアジン系精神神経用剤
レボメプロマジンなど - 選択的セロトニン再取り込み阻害剤(SSRI)
ミルナシプラン - リチウム製剤
- 三環系抗うつ剤
アミトリプチリン、イミプラミンなど - トラマドール塩酸塩
- リネゾリド
- 肝酵素誘導作用をもつ薬剤
バルビーツ酸誘導体、フェニトイン、カルバマゼピン、リファンピシン - フェニトイン
- 抗不整脈剤
キニジン、プロパフェノン - メチルフェニデート
- シメチジン
- 黄体・卵胞ホルモン製剤
- シナカルセト
- サキナビル
- テルビナフィン
- ホスアンプレナビル
- 降圧剤
グアネチジン - インスリン製剤
インスリン - スルフォニル尿素系
- 糖尿病用剤
グリベンクラミド、グリクラジド - クマリン系抗凝血剤
ワルファリン - スルファメトキサゾール・トリメトプリム
- 電気ショック療法
- QT間隔延長を起こすことが知られている薬剤
スニチニブ、ダサチニブ、マプロチリン - ゾニサミド
なお、薬に影響を及ぼす可能性は他にも処方薬や市販薬からビタミン、ハーブに至るまで数多くの成分が考えられます。
上記の相互作用はあくまで代表的なもののみでその全てについて列挙しているわけではないためご注意ください。
禁忌・注意点
有効成分のクロミプラミン塩酸塩に対してアレルギーがある場合は薬を服用しないでください。
以下に該当する場合も同様です。
薬を使用できない症状・病歴
- 閉塞隅角緑内障
- アナフラニールの成分または三環系抗うつ剤に対し過敏症の既往歴がある
- 心筋梗塞の回復初期
- 尿閉(前立腺疾患等)がある
- MAO阻害剤(セレギリン塩酸塩、ラサギリンメシル酸塩、サフィナミドメシル酸塩)を投与中または投与中止後2週間以内
- QT延長症候群
また、以下に該当する場合は医師に相談し安全性を確認した上で薬を服用してください。
医師に確認が必要なケース
- 開放隅角緑内障
- 排尿困難又は眼内圧亢進などがある
- 心不全・心筋梗塞・狭心症・不整脈(発作性頻拍・刺激伝導障害など)の心疾患があるまたは甲状腺機能亢進症(ただし、心筋梗塞の回復初期の患者は除く)
- てんかんなどの痙攣性疾患またはこれらの既往歴がある
- 躁うつ病
- 脳の器質障害または統合失調症の素因がある
- 衝動性が高い併存障害を有する
- 殺念慮又は自殺企図の既往がある、自殺念慮がある
- 副腎髄質腫瘍(褐色細胞腫、神経芽細胞腫など)がある
- 低血圧
- 高度で慢性的な便秘
- 重篤な腎障害
- 重篤な肝障害
- 妊娠中・授乳中
- 小児(4歳以下)
- 高齢者
その他にも、薬は以下の点に注意して服用してください。
薬を続けて服用した後に突然使用をやめると離脱症状と呼ばれる不快な副作用が現れることがあります。
また、ナルコレプシーに伴う情動脱力発作に対しては、投与量の急激な減少または中止によって反跳現象(情動脱力発作の急速な増悪)が現れる場合があります。
これらの症状を防ぐためにも、症状がよくなったからといって急に中止するのではなく、徐々に減量していくようにしましょう。
眠気、注意力・集中力・反射運動能力などの低下が起こる場合がありますので、アナフラニール服用中は自動車など危険を伴う機械の操作に従事しないようにしてください。
アナフラニールを含む抗うつ薬は、24歳以下が服用した場合、自殺念慮や自殺企図のリスクが上昇する場合がありますので十分に注意してください。
コンタクトレンズを使用している場合、アナフラニールの服用による涙液の減少で角膜上皮障害があらわれることがあります。
無顆粒球症、汎血球減少等の血液障害が現れることがありますので、定期的に血液検査を行うことをおすすめします。
また、QT延長、心室頻拍(Torsade de pointesを含む)、心室細動が現れることがありますので定期的に心電図検査を行うことをおすすめします。
よくある質問
- Q.アナフラニールの服用によって太ることはありますか?
- A.はい。体重増加の副作用が報告されているため太る可能性があります。ただし、飲み初めは食欲不振による体重減少が起こり、その後太りやすくなる場合が多いです。これはうつ病の症状改善による食欲回復のためだと考えられていますので、必ずしも薬の直接的な作用で太るわけではありません。
- Q.どれくらいで効果が出ますか?
- A.個人差がありますが、1~2週間で効果が現れ始めます。
- Q.アナフラニールが新型コロナウイルス(COVID-19)に効果があると聞きました。
- A.新型コロナウイルス(COVID-19)の体内への侵入を防ぐ作用があることが確認されています。しかし、有効性や安全性は確立されていませんので、もし使用する場合は事前に医師に確認をしてください。
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