
ラミシールとニゾラールは水虫、カンジダ、脂漏性皮膚炎などあらゆるカビ菌(真菌)由来の症状に効く便利な薬です。
…が、それぞれに塗り薬と飲み薬があってタイプも様々なのでどの症状にどのタイプが最適なのか迷われる方も多いのではないでしょうか。
ということで、今回はラミシールとニゾラールの効果の違いや使い分けについて解説いたします。
ラミシールとニゾラールの違いは
ラミシールとニゾラールはどちらも水虫(白癬菌)やカンジダといった真菌(カビ菌)の細胞膜を破壊して殺菌してくれる便利な薬です。
菌に対して効く仕組みはどちらも似ているのですが、効果には若干違いがあって簡単に説明すると以下の通りになります。
名前 | 水虫 | カンジダ | 脂漏性皮膚炎 |
---|---|---|---|
ラミシール | ○ | △ | ○ |
ニゾラール | ○ | ○ | ○ |
ラミシールは特に水虫の原因となる白癬菌に対して良く効く薬で、手足の水虫なら塗り薬、爪の水虫なら飲み薬でしっかり症状が改善できます。
一方、ニゾラールは水虫はもちろんカンジダ菌(カンジダ)やマラセチア・フルフル(脂漏性皮膚炎)といった症状にもしっかり効いてくれる幅広い効果が特徴です。
ラミシールとニゾラールの使い分け
では、実際の薬の使い分けはどうなるのかと言うと…?
①手・足白癬(水虫)の場合
手や足の水虫は爪の中にまで菌が感染していない軽度の状態なので、基本的に塗り薬を2~3ヶ月ほど使うだけでしっかり改善できます。
薬は塗り薬のラミシールやニゾラールどちらも同程度の効果が期待できるほか、以下の薬でも対応可能です。
- ルリコン
- アスタット
- ペキロン
いずれも薬の有効性は非常に高いので、効果・副作用の出方を見ながら体質に合った薬を使う形で問題ありません。
ラミシールジェネリック・テルビシップクリーム
テルビシップクリームはシプラ社が製造・販売する水虫(白癬菌)や脂漏性皮膚炎など真菌感染症の治療薬です。
先発薬のラミシールと同じ有効成分テルビナフィンを含むジェネリック薬で、真菌を死滅させ足白癬や手白癬の症状を抑えます。
なお、水虫は白癬菌というカビ(真菌)の一種が原因で起こる病気で代表的な症状は皮むけですが、勘違いしがちなのは皮むけが起きている=水虫とは限らないという点です。
水虫かどうかの判定は皮膚科医でも検査で菌を採取して初めてわかるもので、自己判断で勝手に薬を使用すると症状が悪化してしまう可能性もあるのでご注意ください。
②爪白癬(水虫)の場合
しかし、手や足の水虫を放っておいたり治療が不十分だと菌が深部まで入り込んでしまい症状としては中~重度の状態となります。
この場合では爪の内部にまで白癬菌が入り込んでいる状態で、塗り薬では有効成分が届かくなってしまっているため治療の第一選択も塗り薬から飲み薬のラミシールへと変わります。
また、爪が完全に生え変わるまでは1~2年ほどかかるので必然的に治療期間も1~2年と気長で根気のいる治療が必要となってきます。
強力に効く内服ラミシール・ファンゴテック
ファンゴテックはFDC社が製造・販売する水虫(白癬菌)、カンジダなど真菌感染症の治療薬です。
先発薬のラミシールと同じ有効成分テルビナフィンを含むジェネリック薬で、内服タイプなので塗り薬よりも強力な効果で真菌を死滅させます。
難治性の場合や爪白癬など塗り薬が患部まで届かないような場合でも非常に有効です。
もし手足の爪が脆くなったり変色が見られる場合はかなり要注意で、こうなる前に①の段階でしっかり治療しておきたいですね。
③カンジダの場合
カンジダは誰もが保菌しているような常在菌なのですが、人によってはいくつか条件が重なることで発病してしまうことがあります。
そんな膣カンジダの治療は主に塗り薬としてのラミシールやニゾラールが中心になります。
ただし、難治性・広範囲だったりカンジダ性爪囲爪炎、口腔カンジダ症の場合ではより強力なジフルカンなどの飲み薬も使用可能です。
膣カンジダ治療薬・フォルカン
フォルカンはシプラ社が製造・販売する真菌感染症の治療薬です。
先発薬のダイフルカン(ジフルカン)と同じ有効成分フルコナゾールを含むジェネリック薬で、真菌を死滅させカンジダやインキンの症状を抑えます。
治療期間は症状の程度や部位によって異なりますが、概ね2週間~数ヶ月程度が目安。
ただし、カンジダは繰り返し再発しやすい病気でもあるので、今後の発生をしっかり防ぐためには
- 患部を清潔に保つよう心がける
- 患部はしっかり乾燥させる
- 食事・睡眠・運動など生活習慣を改善
といった心がけが大切になります。
④脂漏性皮膚炎の場合
脂漏性皮膚炎の起こる詳しい原因は実は明らかになっていませんが、マラセチア・フルフルという真菌が関与しているとされラミシールやニゾラールなどの塗る真菌治療薬が有効です。
日本では適応はニゾラールのみとなっていますが、実は臨床試験の結果ではラミシールの方も有効性が明らかになっていてどちらも治療に用いることができます。
今回紹介した医薬品一覧
ラミシールとニゾラールの効果の違いまとめ
ラミシールとニゾラールの違いや使い分けについてご紹介してまいりました。
基本的な使い分けは以下の通りとなりますので、ご自身の症状に合わせて選んでくださいね。
- 手・足白癬(水虫):塗り薬のラミシール、ニゾラール
- 爪白癬(水虫):飲み薬のラミシール
- カンジダ:塗り薬のラミシール、ニゾラール
- 脂漏性皮膚炎:塗り薬のラミシール、ニゾラール
いずれにせよ、カビ菌(真菌)は放置するとどんどん感染が広がり治療期間も長くなってしまうので、早めの対処が必要です。
あらかじめ手元に薬を用意しておくと安心ですね。
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投稿者:ラククル管理人
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